女将が考え出した「温泉ローストビーフ」は、焼かないので正確には“ロースト”ではありませんが、ハーブで牛肉に下味を付けたあと温泉に3時間浸し、じんわりと火を通していきます。
低温でゆっくり調理したお肉は、中まで柔らかくしっとりとした仕上がり。
ジューシーな肉汁があふれだします。
常連客のなかでいちばん人気のあるメニューです。
ハーブで下処理をした牛肉を袋に入れ、野沢温泉の外湯に沈めます。
温泉に3時間浸したら、お湯から上げます。
上げたあとはしばらく置き、うま味をぎゅっと閉じ込めます。
全国的にも有名な野沢菜漬けは、野沢温泉村が発祥の地です。
伝統ある野沢菜漬けは、家庭により作り方が微妙に異なり、それぞれに家庭の味があります。
当館でも毎年、野沢菜漬けを仕込み、お客様にご好評いただいております。
例年11月にお菜洗いをし、大きな木樽に漬け込みます。美味しくなるのは、12月中旬以降です。スノーシーズン到来とともに、お出しし始めます。
寒い朝から作業をスタート。
採れたての野沢菜をお湯で洗うことで、虫離れがよくなります。
タワシを使って泥をしっかり落とします。
株の間に入った泥は、手でかき出して取ります。
洗った野沢菜は、冷水に浸けてひとまとめにします。
お菜洗いが済んだ野沢菜を運びます。
秘伝の調味料を入れた木樽に、隙間なくきれいに野沢菜を並べていきます。間を埋めるようにギュッと押し込みます。
野沢菜と塩で層をつくるように、塩を振ります。塩加減は初雪程度が目安です。
層になるようぎゅうぎゅうに積み上げ、樽の上にはみ出るくらいまで詰め込みます。
重石を載せて終了です。ひと晩で沈んでくるので、このあとはバランスを取る作業があります。